筋トレのナチュラルって何?
ナチュラル以外では何があるの?
ステロイドユーザーとは?
筋肥大の影響は?
それぞれの見極め方は?
上記の疑問に答えていきたいと思います。
筋トレをしていれば必ず聞くことになるナチュラルとステロイドユーザーについて、分かりやすく解説していくのでお付き合い下さい。
色々と誤解や確執があることなので正確な情報をお届けしたいと思います。
筋トレでいうナチュラルとはどういうもの?

筋トレでのナチュラルとは、アナボリックステロイドなどの筋肉増強剤を使っていない人のことを言います。
より正確に言えば、1度もドラッグを使用したことがない状態を「ドラッグフリー」、使用したことがあるけど現在は使っていない状態をナチュラルと呼ぶ。
ですが、一般的にはナチュラルと言えば今も昔もドラッグを使っていない人のことを指して使われがち。
正確に区別でいている人は少ないです。
※この記事でも分かりやすいように「ナチュラル=今も昔もドラッグを使っていない状態」と定義して話を進めます。
基本的に筋トレでナチュラルと聞けば、1度もドラッグを使っていない人と思って下さい。
まさに言葉通りということですね。
(ナチュラル=自然)英訳
ナチュラルの知っておいてほしい特徴や限界点は?
ナチュラルがどんなものか分かったところで次は特徴などを。
ナチュラルの知っておいてほしい特徴は
・健康で体に悪影響がない
・筋肉の限界量が早い段階で決まっている
・筋トレ歴が長いほど筋肉がつきにくくなる
それぞれを解説していくと。
ナチュラルの特徴①健康的で体に悪影響がない
当然ですが、ナチュラルはドラッグに頼らない自然な状態です。
体のホルモンが過剰に分泌されることもないので、健康を悪くする理由がありません。
それどころか、適度な筋トレや栄養バランスを意識した食事は健康的と言えます。
ナチュラルの特徴②筋肉の限界量が早い段階で決まっている
ナチュラルの場合、筋肉の限界値というのが早い段階で決まっています。
骨格の誤差はありますが、筋肉だけで18~22㎏までが上限です。(参考文献)
どう頑張っても、数値を大きく上回ることはありません。
遺伝によって筋肉量は左右されますが、ステロイドを使った化け物みたいな体になることは絶対に出来ません。
参考として薬物が禁止されている大会でトップの人の画像を貼っておきます。
この体がナチュラルの到達点です。
才能のある人が筋肉にすべてを捧げればたどり着くことが出来ます。
一般の人ではこれよりも一回り小さくなると思って下さい。
上記の画像で大会前の仕上がり体重は75㎏前後になるらしいです。(身長は170㎝)
筋肉の限界値の考え方
筋肉は大きいほどエネルギーを消費します。
なので、筋肉が大きくなりすぎないように遺伝子に刻まれているという訳です。
ナチュラルの限界値とは生きていくうえでの最大容量であり、それ以上の筋肉は不必要で困ってしまうと考えることも出来ます。
野生ではエネルギー消費が大きいほど不利と考ればしっくりきますね。
ナチュラルの特徴③筋トレ歴が長いほど筋肉がつきにくくなる
色々な説がありますが、
筋肉のつく速度は最初の1年が1番付きやすく2年目は半分程度になります。
様々な研究者が具体的な数値を出していますが、誤差はあれど一致しているのが現状です。
一例としてライル・マクドナルドモデルを紹介。
筋トレ歴 | 筋肉の増加幅/年数 |
---|---|
1年目 | 9~11,3㎏ |
2年目 | 4,5~5,5㎏ |
3年目 | 2,3~2,7㎏ |
4年目 | 0,9~1,3㎏ |
上記を見て分かる通り、4年目以降は筋肉のつく量がごくわずかです。
理想的に筋肉をつけていった場合の数値ではありますが、トレーニング歴が長くなるごとに筋肉がつきにくくなるのは誰もが認識している事実になります。
なので、筋トレ初心者は最初の1年を大切にトレーニングしましょう。
ステロイドユーザーとは(筋肉増強剤使用者)

ステロイドユーザーとはアナボリックステロイド(筋肉増強剤)を使ってトレーニングをしている人たちのことです。
アナボリックステロイドには重いものから軽いものまでいくつも種類がありますが、共通しているのは男性ホルモン(テストステロン)が大量に分泌されるということ。この作用により筋肉が普通では考えられないくらい付きやすくなります。
ナチュラルとユーザーのトップを比べれば、信じられないほどの差が生まれるくらい筋肉を大きくすることが出来ます。
アナボリックステロイドの注意点
アナボリックステロイドは一般的な競技では使用を禁止されています。
陸上、サッカー、野球、ラグビー、ボクシング、パワーリフティングなど競技であり結果が記録されるもので使用を認められていません。(ドーピング防止について)
ただし、個人で使う分には問題ありませんし、禁止されていない大会なら出場することが出来ます。(法律で禁止されている薬物以外での話)
ボディービルやフィジークの大会でも黙認していたり、上手くすり抜けれてしまうのが現実です。
ステロイドユーザーの知っておくべき特徴
ステロイドユーザーの知っておくべき特徴は
・筋肉のつくスピードが圧倒的に早い
・ナチュラルの筋量の限界を軽く超えられる
・健康を害するリスクが高い
・競技者として記録を残すことが出来ない
それぞれ解説していきます。
ユーザーの特徴①筋肉のつくスピードが圧倒的に早い
ステロイドユーザーはナチュラルとは比べものにならないスピードで筋肉をつけることが出来ます。
使用するステロイドにもよりますが、ナチュラルでは停滞ぎみだった筋肉がステロイドを使えば1年で10㎏も増量したなんてことも可能です。
本来なら絶対にありえません。
ステロイドを使えば、筋肥大の速度が数倍~数十倍にすることが可能ということです。
周りと差をつけたい人にとって魅力的かもしれません。
ユーザーの特徴②ナチュラルの筋量の限界を軽く超えられる
ステロイドを使用すれば、限界を超えた筋量をつけることが出来ます。
ナチュラルのボディビルダーの仕上がり体重はどれだけ凄くても81~86kgが精一杯です。
比べて、ステロイドを使用したプロのボディビルはギリギリまで絞って118㎏~125㎏と30㎏も差が生まれる結果に。
30kgがぴんと来ない人は、鶏の胸肉30㎏分と考えてみて下さい。
途方もない量ですよね。
下にプロのボディビルの中でもトップの筋肉量を誇る選手を紹介します。
上記の選手はオリンピアで優勝経験もある人です。
すべてが異次元の大きさですね。
ユーザーの特徴③健康を害するリスクが高い
ステロイドは男性ホルモンを過剰分泌させます。
当然ですが、不自然なホルモンの過剰分泌は健康に様々な影響を与えることに。
危険性から副作用の研究があまり進んでいませんが、確実に健康を害することは確認済みです。
アナボリックステロイドの副作用として
・女性化乳房
・倦怠感や脱力感
・吹き出物が全身に現れる
・肝機能の低下
・骨がもろくなる
・精神的な疲れ
・頭髪の脱毛
・睾丸の機能低下、委縮
など
体が生成する数倍~数十倍もの男性ホルモンを薬によって分泌させるわけですから、自分で男性ホルモンを生成する力も失う可能性があります。
リスクを知ってしまえば怖くて一般の人は手を出さなくなって当然ではないでしょうか。
ユーザーの特徴④競技者として記録を残すことが出来ない
ステロイドはスポーツ業界では使用を固く禁じられています。
ばれてしまえば、どんなにいい記録を出しても認められることがありません。
ボディビルでも表向きは使用を禁止されています。
守るか、守らないかは選手の判断次第ですし、出場させるか、させないかは大会次第なので実情は厳しいですが。
しかし、ボディビルで活躍していた一目でユーザーと分かる人物が違うスポーツに転向することは難しいことだと言えます。
ナチュラルとステロイドユーザーの見分け方について

尿検査以外でのナチュラルとユーザーの見分け方は
・筋肉量
・以前からの発達速度
・体の特徴
が頼りになります。
ただし、絶対にユーザーかどうか断言できるのは本人だけです。
ナチュラルかユーザーか見た目で判断する場合
ナチュラルかどうか見た目で判断する場合、注目するのは筋肉量から。
まず常識的であるか、普通ではありえない筋肉量であるかで判断して下さい。
これは最低限の知識がないと難しいと思います。
しかも、ナチュラルでも大きい人がいますし、ステロイドを使い始めの場合は筋肉も大きくないの見極めることが出来ません。
簡単に信じられない筋肉量をしていればステロイドの可能性ありと考えるくらいで。
ステロイドの副作用から判断することも
ステロイドを使えば副作用として体に変化があります。
中でも
・女性化乳房
・吹き出物(ニキビ)
は分かりやすいユーザーの特徴です。
女性化乳房は乳首が女性のように大きく膨らんでしまうので、一目で分かる特徴。
ニキビも背中などにできやすくなるので分かりやすいと思います。
絞った時の肌の質感からも判断
ステロイドを使用してコンテストに出ている場合、筋肉の上に肌がぴっちりとして見栄えが良いです。
本当に肌の上に皮膚が1枚あるだけという感じに。
ナチュラルの場合は、絞り切っても水分が残っている風に見えます。
筋肉に少しの水分と肌がある感じなので、どうしてもソフトに見えてしまいがち。
先ほど紹介した、横山選手と海外の選手の肌を見てもらえれば納得すると思います。
どちらも極限まで絞った同じ状態なのに、肌感に大きな差を感じるはずです。
ナチュラルかユーザーか発達速度で判断する場合
ある程度トレーニング歴のある選手が体をがらりと変えてきたときも、ステロイドの可能性があります。
ナチュラルの場合、最初の1,2年を除いて1年で筋肉を5㎏以上つけることは困難です。
せいぜい、2,3㎏が良い所。
それもかなり成功した場合の話です。
なので明らかに筋肉が大きくなっていると判断出来てしまう場合はステロイドの可能性が高いということに。
やはり、急激に筋肉が増えるというのは不自然ということです。
ステロイドユーザーの印象や考え方について

世間一般ではステロイドは
・悪
・使っている人はカッコ悪い
・ずるい人
というマイナスな印象が強いです。
それは、ナチュラルで一生懸命鍛えている人と比べてしまうからが原因だと思います。
ナチュラルと比べれば、ユーザーはどうしても薬を使ってずるをしているように見えるのは仕方ありません。
実際に同じトレニングと食事をしたら、ユーザーの方が圧倒的に筋肉がつくのは事実です。
なのに、同じ大会で比べられてしまうとナチュラルの人は納得がいきませんよね。
また、スポーツ業界が前面的に禁止にしていることもマイナス感情の要因に。
フェアプレイの視点から「ドーピング=悪」というのは仕方無いことです。
それほどステロイドの効果は大きく、ナチュラルの人と比べれば大きな差がついてしまうということです。
以上のことから、一般的にステロイド使用者の印象はマイナスによっています。
ステロイドユーザー=悪ではないので要注意
先ほどステロイドユーザーの印象はマイナスと言いました。
ですが、あくまでも印象です。
ステロイドユーザーは別に悪いことをしているわけではありませんし、人1倍努力だってしています。
ステロイドは個人で使用する分には何も問題ありませんし、法律で禁止もされていません。
悪となるのはナチュラルだけの大会に出場するユーザーたちです。
はっきりと禁止されているのに嘘をついて大会を荒らすような行動はマナー違反であり、叩かれても文句を言えません。
ナチュラルの人たちの努力を踏みにじる行為なので、厳しく取り締まる必要があります。
しかし、ユーザーしかいないような大会で、ユーザー同士が競い合っている分には公平性が保たれているので問題ないと思います。
ユーザーを見たい人は一定数いるので、需要があり公平性が保たれ、競技として成立するなら叩く理由がありません。
ナチュラルとユーザーを別のものとして比べない事が大切
以上のことから、ナチュラルとユーザーを比べず別々のものとして見ることが大切ということになります。
お互いに敬意を払いつつ、比べ合わない。
比べても不公平なので喧嘩になるだけです。
攻撃したり、潰しあうような行動は抑えてより高い競技レベルを期待したいですね。
ナチュラルとユーザーはトレーニング方法が違うので注意する

ナチュラルとユーザーでは、筋肉の合成速度や回復速度が違うので頻度やメニューが違います。
筋トレ初心者がユーザーの動画を参考にしても、条件が違うので非効率です。
よくある間違いなので気をつけるようにしましょう。
基本的にナチュラルの場合は週2回、同じ部位を行うように。
具体的には1週間の内、3セットを2回行って1日休むというのが効果的。
理由は筋合成が72時間とされているので週1回では効率が悪いからです。
筋肉を分解して作り直すこと。筋トレをすることによって筋繊維を破壊し、食事や休息で壊れた筋肉を作り替え大きくする。
対してユーザーは常に体内で筋合成が行われているので、1部位に週1回のトレーニングで十分です。
また回復速度もまったく違うので、ナチュラルの人は限界まで追い込むことを繰り返してオーバーワークにならないようにしましょう。
競技者ではない限りステロイドは使わないのがベスト

最後に筋肉を大きくしたくてステロイドに興味がある人へ。
筋肉を大きくしたいという熱量がどれほどのものか分かりませんが、軽い気持ちでステロイドに手を出すのは止めましょう。
しかし、軽い気持ちで手を出して副作用に苦しむ人が後をたちません。
プロとして戦っていく覚悟や自分が広告塔として宣伝していくというようなケース以外では手を出さないに越したことはないと思います。
健康や寿命を縮めてまで筋肉を大きくするメリットがあるか冷静に考えてみて下さい。
筋トレにおけるナチュラルとは?まとめ
今回はナチュラルとステロイドユーザーについて紹介しました。
筋トレ初心者ならユーザーの体に憧れて筋トレを始める人も多いはずです。
しかし、ナチュラルではどう頑張ってもユーザーの体になることはできません。
真実を知ってがっかりするかもしれませんが、くじけずに頑張ってほしいと思います。
ナチュラルには魅力が沢山ありますし、ユーザーなんて人はほとんどいません。ステロイドを使ってトレーニングをしている人は本当に少数です。
ネットでよく見るから慣れているだけで身近にそんな人は中々いないはず。
ナチュラルやユーザーと気にする前に自分のトレーニングに集中しましょう。
それでは良き筋トレライフを送ってください。
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